やっぱりあったようです。イラク日報が存在していたと報道されました。
それだけでもビックリなのですが、実は昨年の3月には存在を把握していたというニュースがさらに入ってきましたね。
ところで、イラク日報問題ってそもそも何でしょうか?改めて簡単に分かりやすく解説していこうと思います。
イラク日報問題とは?
「イラク日報問題」について説明します。
まず、日報は、自衛隊の派遣部隊が作成し、通常は陸上幕僚監部の運用部門などに送られるものですね。
はじめの流れから順に追っていきます。
2004〜6年に、陸上自衛隊はイラク戦争後の人道復興支援としてイラクに派遣されました。
そして2012年1月にも陸上自衛隊は南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣されましたね。
はじめに問題になったのは、このときの南スーダンの日報。
ここには、武力衝突を「戦闘」と記載していたことが発覚したと毎日新聞が報じましたね。
なぜ問題なのかと言うと、自衛隊が派遣されるのは戦闘がない地域に限定されています。
なのに、「戦闘」と記載しているから問題なのですね。憲法違反になりますからね。
またそれを受けて、おととしの10月、防衛省に、南スーダンPKOの日報の情報開示を請求したのですが12月に防衛省は南スーダンの日報を「廃棄した」と説明していました。
このことにより、日報にどう書かれていたのかは分からないままだったのですが、
廃棄したとされた日報が統合幕僚監部で見つかったのです。
それを受けて、去年2月に見つかった南スーダンPKOの日報を公表しました。
そして去年7月に稲田朋美元防衛相は、南スーダンの責任を取って辞任しています。
で、その流れのなかでもまた問題がありました!
イラク派遣時も宿営地内に迫撃砲やロケット弾が撃ち込まれるなど、緊迫した状況であったことが判明したと毎日新聞が報道しました。
これもまた危険な場所(戦闘地域)に自衛隊を派遣したのか?!と問題になりました。
治安面の不安が指摘されますね。
で、そのときのイラク派遣時の日報も残っていないとまた説明していたんです。
当時の稲田元防衛大臣は、
「イラクに関しては日報は残っていないことを確認をいたしております」
とハッキリ答弁していましたからね。
今後日報は見つかるのですが、もし日報が見つかる可能性があるなら、ないと言わなければいいのにと思ってしまいます。
イラク日報が見つかる
ということで、今までなかったとされていた日報が今年4月1日に ”イラク日報が存在していた” と発表になったわけなのです。
再発防止策の一環として、統合幕僚監部が昨年7月から各部局に散在する日報を集約したところ、電子データが見つかり、今年1月12日陸幕総務課に報告したとのことです。
それから小野寺防衛大臣に報告されたのは3月31日とのことで、発見から公表までが2ヶ月たっていたのでなぜ、時間がかかったのか?
また隠蔽していたのか、改ざんしようとしたのか?
などの疑問が出てきましたね。
関連記事:イラク日報の発見からなぜ2ヶ月以上後に発表?隠蔽か改ざんか?
ですが、これだけでは終わりません!
また新たに発覚したとして、4月4日に小野寺防衛相は、
「陸上自衛隊が昨年3月にイラク日報の存在を確認していた」
と公表しました。
はー!?次から次へと何やってるんだと言いたくなります。
しかし、当時の稲田朋美元防衛相には報告していなかったというから、なぜ?との疑問が出てきます。
稲田氏は、自分も被害者かのように
「驚きと怒りを禁じ得ない」
と述べていると言いますが、
もし本当に知らなかったのだとしたら、ナメられていたということか。とも考えてしまいます。
イラク日報を隠す理由は?
防衛省が残っていないとしてきた陸上自衛隊の「イラク日報」が見つかっていましたね。
防衛省はなぜ1年も放置してきたのでしょうか。
やはり隠ぺい体質か?とも追及されても仕方ありません。
そもそも上のものが知らない組織ってありえるのでしょうか。
現場の人たちだけで何かをしていたのでしょうか。
結局のところは、「イラク日報」を発見してから小野寺防衛相に報告されたのは約1年も経過していました。
日報の存在を報告をしなかった理由については、正確には分からないものの、
自衛隊トップの統合幕僚長は、
「当然、速やかに報告をするべきところが抜けていた。結果として大臣、国会に対して背信的な行為を行なったと言われてもしょうがない」
と述べ、
「本人の自覚が足りなかった」
と話していますが、こんなに問題になっている「イラク日報」なのに自覚…?
ここでシビリアンコントロールは機能していたのかと問題になっていますね。
関連記事:シビリアンコントロール(文民統制)とは?わかりやすく解説【イラク日報】
ちょっと理由に納得はできませんが。
指揮官の指示に従わない隊員がいたことこそが、深刻な事態ですね。
なぜ隠すのか?言えないのか?まだまだイラク日報の真相が発覚しそうです。