大相撲の三月場所で全勝優勝した横綱・白鵬が、千秋楽の優勝インタビューで三本締めをしたことが問題となり、
日本相撲協会は「白鵬の行為が相撲道の伝統路秩序を損なう行為」に抵触する可能性があると判断しました。
なぜ白鵬の三本締めがそこまで問題となっているのでしょうか。
白鵬はせっかく全勝優勝したのに気の毒ですね。
白鵬が三本締めを
2019年、平成最後の場所で全勝優勝した横綱・白鵬が、千秋楽の優勝インタビューで
「平成最後なのでみなさんと三本で締めたいと思います」と自ら音頭をとり三本締めをしたことが問題となっています。
本人は謝罪も協会は処分を検討しているようです。
会場の雰囲気は明るくなりましたが、賛否両論。
2017年11月場所の優勝インタビューで万歳三唱を行ったときもその行為が横綱の品格に関わるとして問題になった白鵬。
そのときも厳重注意がありましたが、再び、横綱の品格を問われることになりました。
白鵬関は「お客さんを喜ばせるためにやった」と話しています。万歳がダメでも手締めならいいと思ったようですね。
日本相撲協会は横綱の品格について、風習や意味をしっかりと教えてないからなのでは?とも言われています。
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なぜ白鵬の三本締めが問題に?
白鵬はファンサービスを大事にしているので、盛り上げたいという意識なのでしょう。
神事なの?ファンサービスなの?ということでしょうか。
そもそも手締めのタイミングがおかしいということのようです。
手締め(三本締め)というのは行事が全部終わった後にやるものなんだとか。
大相撲 千秋楽取組終了後のスケジュール
大相撲 千秋楽取組終了後のスケジュールを見ていきたいと思います。
取組終了後
↓
弓取式
↓
表彰式(優勝インタビュー)
↓テレビ放送終了後
神送りの儀
本来、手締め(三本締め)というのは「神送りの儀」のなかで行なっています。
つまりこの日は2回締めがあったということなんですね。
初日を迎える前日「土俵祭」
大相撲は神事ということで、大相撲の土俵は、
初日を迎える前日「土俵祭」があります。
これは大相撲の神を土俵に迎える儀式です。
土俵の上に神官姿の行司さんが集まり
場所中の安全と興行の成功、国家の安泰、五穀豊穣を祈念。
その後、土俵の中央に穴があいていて、
塩、昆布、するめ、勝栗、洗米、かやの実の縁6品を起物として沈められます。
神送りの儀
そして千秋楽 表彰式終了後に行われるのが「神送りの儀」
大相撲の神を天に帰し本場所が終わります。
土俵上には行司や呼出たちが集まり、
御神酒をまわして呼出の音頭で新弟子たちが三本締めを行います。
通常はこの神送りの儀で三本締めが行われるということなんですね。
新人さんが締めるみたいです。
そして新弟子たちが土俵の中央で御弊を抱えた行事を胴上げして神を天に帰します。
つまり全ての行事を終えた後に三本締めをするなら分かるが、表彰式の最中にするので横綱の品格がないと言われてしまうのかもしれません。
そもそも優勝インタビューはいつから?
そもそも表彰式の間に土俵下で優勝インタビューが行われるようになったのは、1995年1月場所から。
それ以前は、
千秋楽の取組後に支度部屋で髪を結い直しながら、優勝力士をぐるっと囲んだ記者たちのインタビューに答えるという共同記者会見を放送していました。
なぜ1995年1月場所から変わったのかですが、
その前の場所の1994年11月場所、当時大関だった貴乃花が全勝優勝。今まで通りに取組直後に支度部屋でインタビューしていました。
これを見ていた視聴者は、「取組が終わったばかりで息が上がっているのに喋らせるのはかわいそう」というクレームが相次ぎます。
これまではテレビでしか聞けなかったが、優勝インタビューを土俵下で行うことで、実際に見に来ているお客さんにも喜んでもらえる
ということで現在のかたち、土俵の下でインタビュアーが立ってマイクを向ける。
観客の前で優勝インタビューを行うというスタイルに変わっていったんだそうです。
観客の前で優勝インタビューを行う時点で盛り上がってしまいますよね。
ということで「白鵬の三本締めはなぜ問題に?優勝インタビューはいつから?」についてでした。
4/25追記:白鵬関は「けん責」処分となりました。
大相撲の伝統や秩序を損なう行為に該当されるとのことです。
けん責処分は、日本相撲協会の懲戒処分の中でも一番軽いものとなります。